「介護サービス情報の公表」制度の導入の背景
 わが国においては、急速な高齢化の進展に伴い、介護ニーズはますます増大していくことが予想されており、これを社会的に支える仕組みとして2000年から介護保険制度が導入されました。この制度では、規制緩和により多様な主体が参入することとなり介護サービスの供給量はおおむね順調に増加してきています。

 介護保険におけるサービスの利用は、利用者と事業者とが契約して利用しますから、本来、契約の当事者は対等な関係でなければなりません。利用者が自らの権利や価値観等に基づき、より良いサービス(事業者)を適切に選択することにより、多様な事業者間の競争が促され、個々の介護サービス事業者はもとより介護サービス全体の質の向上が図られることが期待されています。

 介護サービス事業者の参入が急速に増加したことで、利用者はより良いサービス(事業者)を選べるだけのサービス供給量としての環境が整ってきたといえます。しかしながら、選択するための情報の基盤は整っていないとの指摘がありました。また、従来から消費者契約において指摘されてきた「情報の非対称性」、「交渉力格差」などの利用者選択における課題もクローズアップされています。

 このような背景の下、介護保険制度の基本理念である「利用者本位」、「高齢者の自立支援」、「利用者による選択(自己決定)」を、現実のサービス利用場面において、真に利用者と事業者との対等な関係を実質的に保障するため、利用者による介護サービス(事業者)の適切な選択に資する仕組みとして導入されたのが「介護サービス情報の公表」制度なのです。